国宝松江城マラソン2018

島根県では14年ぶりのフルマラソン開催。これまで開催していた玉造ハーフマラソンがフルマラソンになって、開催時期も9月から12月に変わりました。元々は玉造にフルの部もあったようですが、あまりにも暑さが過酷な時期だったのでハーフ専門の大会になったようです。それが開催時期を初冬に変えて、フルマラソンが復活。これは嬉しいじゃありませんか。ということで反射的にエントリーしてしまいました。島根県では47都道府県マラソンの一環で隠岐の島ウルトラマラソン(50km)を走りましたがフルマラソンは未体験です。年末が近くなり、仕事の面で若干の罪悪感も感じながら遠征してまいりました。

玉造の大会はガチランナー向けの大会だったはずなので、大勢の市民ランナーが参加する大会にスムーズに移行できるだろうかという若干の不安はありました。そして移行後はじめての大会なので、何かと想定外の出来事が起きる予感というか期待がありました。事前に送られてきた封筒が茶封筒。中身を見ると同封されていたナンバーカード引換証は署名と捺印が必要でした。捺印させる大会は久しぶりな気がします。ほかに同封されているものを見ると、なんとコース図が無い。これってどうなのでしょう。ネットで見ろってこと?それにしてはWebサイトは情報が充実とはいえないものでしたが。まあ、郵送物だけ見ても、大会で何か起きるのではないかという予感をさせるには十分でした。

実は最近は仕事の関係で山陰に出張する機会が多かったので、ここ2年くらいですっかり「山陰ファン」になっています。食べ物は美味しいし、物価は安いし。そして鳥取マラソンで47都道府県を仮制覇したこともファンになった要素のひとつです。今回は月曜日に休みを取り、二泊三日の行程にしました。

大会前日の土曜日朝、米子空港に到着。米子駅に移動後、まずはレンタカーを借りて城めぐりへ出発。月山富田城、米子城、そしてお菓子の寿城へ。本当は月曜日に行こうと思っていた場所もこの日に無理やり詰め込みました。月曜日の天気予報が悪かったためです。

この日はレンタカーを利用しましたが、公共交通機関では移動が厳しかったと思います。富田城は駐車場から無理なく行ける範囲のみに自重しましたが、米子城はしっかり本丸まで登ってきました。実は2回目の登城です。最後に行った「お菓子の寿城」は地元のお菓子メーカーが作った店舗で、米子城の天守(今はありません)をモチーフにしたものです。ここはお菓子のレベルが高い。いろいろ試食しつつ、お土産を物色しました。

月山富田城跡
月山富田城跡近くの道の駅でお昼。炊き込みご飯が美味しい
米子城本丸からの眺め(中海方面?)
お菓子の寿城

15時過ぎ、米子駅近くで車を返却。電車で松江に移動しました。松江ではホテルにチェックイン後、すぐに前日受付会場へ。松江駅から徒歩10分程度ですが、もう少し案内看板やスタッフを出してもいいんじゃないかなと思いました。最短コースをとれず、少しだけ遠回りしてしまいました。受付を済ませて荷物預けの袋を受け取りましたが、何故かシールが用意されてなく、マジックで番号と名前を大きく書かせていました。この後、袋を持って行動している間じゅう、名前を晒して行動する羽目になりました・・・。それにしても会場に飾り気が無く独特の空気感が漂っていました・・・。

当日は7時半にホテルを出て会場に向かいました。当日朝も案内が不足している印象。スタッフはいるけれど立っているだけ。看板持っているわけでも何か案内しているわけでもない。聞かれれば答えるというスタイルなのでしょうか。でも「おはようございます」くらいは声を出していいんじゃないかと思いますけど。基本的な着替えやトイレなどはホテルで完結させて、あとは上着を脱いで荷物を預けるだけという態勢で臨みました。

会場に着いてみると、荷物預けの場所がカオス。とりあえず言えることは、入り口と出口は分けよう。当日受付の場所と荷物預けの場所も分けよう。そして誘導看板や荷物預け場所の看板は目線より高い位置に掲げよう。今回の看板は大半の人には見えません。ナンバーカードの末尾で分けていることは事前の案内でわかっていましたが、今回の看板ではその場所が遠目にはわかりません。待機場所と更衣室も目的が違うので分ける方がいいですね。ただし、荷物預けのスタッフさんはきびきびと行動していて高感度が高い。先の話ですが、預けた荷物を受け取ったの時にスタッフの方が拍手してくれるなど。これは初めての経験です。

8時45分スタートなので8時20分頃までにはスタートの位置につきました。この直前に「C」とか「D」とか書いた札を持ったスタッフが体育館を出て行くのを見ましたが、まさかスタート位置を示す看板だったのでしょうか。だったらもっと早く定位置につかないと。もう早い人はスタート位置に集まり始めているのでは?この時間では遅すぎます。スタート会場ではMCさんがゲストランナーを紹介していました。ワイナイナさん、市橋さん、油谷さんなど。ここでゲストランナーから何かお話があるかと思いきや、紹介だけで終わっちゃいましたよ。何かランナーに励ましの言葉でもしゃべってもらってもいいんじゃないの?と思っていたら、スタート5分くらい前からMCさんも黙っちゃっいましたよ。沈黙の5分間。そう言えばBGMも何もなかったような気がします。集中力を高めるっていうことなのか、ストイックに記録を狙う大会に徹するということなのか。いいのかな、これで・・・。

スタート前の様子。まずは松江城方面に向かいます

何はともあれ予定通り8時45分にスタート。比較的自己申告が適切だったようで、スタートの渋滞がほとんどなくスムーズに所定のスタートラインを通過しました。Bブロックの後ろの方にいましたが、1分程度で通過。この後はすぐに快適に走ることができました。そういえば「横並び走」も少なかったかもしれません。

スタート後、順調に1kmを通過。時計は7分弱くらい。神戸の失速を反省して抑えめ(6分/kmくらい)にスタートするつもりが、少し早すぎるようです。もっと抑えめを意識して走ることにしました。それにしても会場内の案内看板と同様に、距離表示の位置が低すぎる。これでは見逃す人が多いのではないでしょうか。比較的左側にいたので問題無く見えましたが、右側を走っていた人は見えなかったのではないかと思います。1km過ぎで左折しますが、右側上方に国宝松江城天守が見えています。10年前に訪問済みの天守ですが、レース後に再訪するつもりです。国宝になってからは初めてですので。ちなみにレース名は「国宝松江城マラソン」ですが、コースから松江城が見えるのはここだけです。

松江市街地をぐるっと一周すると、5kmのポイント。ラップは28分30秒くらい。まだ想定より少し速すぎな状態。くにびき大橋で応援していたおじさんが「己(おのれ)に勝て!」と叫んでランナーを激励していました。いやいや、まだ5kmですから。己との戦いには少し早いような気がします。大会のストイックな雰囲気は沿道の応援にも波及するのでしょうか。元々松江近辺では玉造の大会のほか、「松江レディースハーフ」(実業団のガチ大会)が開催されており、さらに近隣の出雲では大学駅伝が開催される土地柄。ガチ声援は伝統的なものなのかもしれません。

6km過ぎくらいのところでお坊さんスタイルのランナーに遭遇しました。これはデジャビュ感。どこだったっけと考えて、10月の水戸黄門漫遊マラソンで見かけたことを思い出しました。あのスタイルは暑そうだなあと見ていた記憶がよみがえってきました。近くを走っている際に「水戸黄門に出てましたか?」と尋ねてみたところ、答えは「出てました」。やはり同じ人でした。各地の大会をこのスタイルでまわっているそうです。「ぐんまマラソン」にも出てみたいと仰っていました。ありがとうございます。群馬県人として嬉しいです。ぜひ群馬へお越しください。この方とはゴール後にもお話したのですが、来年2月の「いわきサンシャイン」でもお目にかかれそうです。楽しみにしています。若干のアップダウンはあったもののほぼ平坦なコースが続きます。10kmのラップはほぼ変わらず28分30秒くらい。まだ速すぎです。

コース図によると本格的な坂は12km付近、35km付近、39km付近の3カ所。とはいえ35mくらいの坂を1kmくらいかけて上るイメージなので、それほどの急坂ではありません。ということで、10kmを過ぎると最初の本格的坂道に差し掛かります。しかし、走ったあとから「もしかしたら今のが最初の坂だったか?」と気づいたというレベルでした。とはいうものの、そんな坂を挟む15kmのラップは30分30秒くらい。坂のおかげか何かわかりませんが、想定しているラップに落ち着いてきました。このペースを継続します。

15kmを過ぎると「中海」を反時計回りに周回します。中海は日本海から砂嘴で隔てられた汽水湖。米子港などは中海に面しているはず夕日が綺麗と聞いています。それはともかく中海を周回する道路ですが、海沿いだけあってほぼ平坦です。走りやすいかどうかは人によって好みが分かれるところでしょう。たぶん、力のあるランナーには苦も無いのだと思いますが、わたしはどうも苦手でした。苦手な理由ですが、右に左にカーブが続く道なので、道路が右に左に傾斜しています。このようなバンク状の道路はどうしても傾斜が下になっている足に体重がかかり、バランスが悪くなります。以前に横浜マラソンの首都高部分でも痛い目に遭いました。今回はこの二の舞になってしまった感があります。20kmのラップは29分40秒くらい。想定より少し速い。バンク状とはいえ平地なので、スピードが出てしまう。そのかわりに確実に足の負担があったようです。ちなみに中海沿いのルートは30km地点過ぎまで続きます。これは厳しかった。

中間点通過はネットで2時間3分台。まあいいのではないでしょうか。最後に足が残っていれば4時間10分を切るくらいで走れるかもと妄想していました。この時点では。引き続き中海沿いのコースが続きます。風景はいいのですが、止まって写真を撮る余裕はありませんでした。手袋をしていたので外してスマホを操作するのも面倒ですし。江島大橋(べた踏み坂)近くを23kmあたりで通過するのですが、コースから見えたのでしょうか。気づかないうちに通過してしまいました。残念。引き続きバンク状の傾斜が続く道路を走り、25kmのラップは30分30秒くらい。前のラップに比べて1分くらい落ちました。自重しようとしていたので、まあその通りになっていていい感じのラップなのですが、でもちょっと落ちすぎかもしれないとも考えていました。路面の傾斜で確実に負担感を感じていました。

25kmを過ぎてもカーブが続きます。28km付近あたりからようやく道路が直線的になってきて傾きが気にならなくなりました。これで一安心。しかしそれとは裏腹に少しだけ足攣りの気配を感じるようになってきます。29kmを過ぎたあたりで本格的に足攣り症状が発生。またか・・・。あと13kmなのですが、ここから先はダメダメなレースになりました。30km付近で小規模な上り坂があるのですが、ここで完全に足が止まりました。観念して「コムレケア」を口にしました。それから効果が現れる10分後くらいまでの間、止まったり歩いたりストレッチしたりの繰り返し。時間をロスしたうえに足の疲弊も蓄積されてしまった感じです。30kmのラップは32分20秒。29kmあたりまではそれほどスピードが落ちてはいなかったので、29km以降に一気に失速したのがわかります。ダメだこれは・・・。

32kmくらいでよやくコムレケアの効果が出てきたようで、とりあえず足攣り感覚はなくなりました。しかし、29km以前とはまったく違う足の状態。もう元のスピードには戻れません。応援の方々励まされながらも35kmのラップは33分オーバーに低下。

ここからは坂道も追い打ちをかけます。この坂は10km過ぎの坂とそんなに規模は違わないのですが、今度はずっしりと足に応えました。ダメダメな走りが続き、40kmのラップは34分オーバーに。さらに低下していました。

このあと2回目の足攣りが始まり、市街地に戻って応援の人も増えてきた中を足を引きずりながら走る悲惨な状況になりました。結局最終的なタイムはネットで4時間26分台。満足いかない結果に終わりました。それでも2週間前の神戸より15分くらい改善していましたが。

ちなみにゴールもMCさんがランナーの名前を呼んだりして、それなりに盛り上げる感じではありましたが、やはり地味に進行している印象です。筆者の場合はフルマラソンも回数を重ねていますので、ひとつひとつのレースでそれほどの感慨はありませんが、初マラソンのランナーにとっては記念に残る瞬間のはずです。もう少し大会を盛り上げる雰囲気があっても良いのかなとも感じました。

ゴール直前、沿道の人から「ザスパがんばれ」という声援をいただきました。筆者の着ていた「ザスパクサツ群馬」ユニフォームに対するものでしょう。まさか島根でザスパユニに反応する人がいるとは。驚きましたが、嬉しかったです。

ゴール後の様子。落ち着いた雰囲気の会場

個人的な反省点はコムレケアの摂取タイミングです。今回は足攣りの気配を少し感じていたにもかかわらず、本格的に攣り始めてからの摂取になりました。これでは遅すぎる。わかっていたのに対策できませんでした。コムレケアは即効性がありますが、それでも効果がでるまで10分くらいかかります。25kmを過ぎたあたりで気配を感じていなくてもコムレケアを摂取すべきなのかもしれません。次のフルマラソンにむけて足攣りの対策をさらに深く考えます。

レース中に気づいたことをあとひとつ。エイドの案内表示は100mくらい手前で予告できるといいですね。今回は直前にならないとエイドの存在に気づかないのでランナーが突然進路変更して、危険でした。

完走証が当日発行できないトラブルが発生していましたが、これは許容範囲でしょう。貼り紙だけでなくアナウンスでもお知らせしてほしかったところですが。完走証はどこでもらえるのだろうと少し迷いましたので。

個人的には許容範囲と思います

全体を通して思ったことを最後に。まず、大会の方向性をしっかり見定める方が良いと思います。伝統的なガチ大会のDNAを引き継ぐのか、そこから脱皮してよくあるエンターテイメント型の大会に生まれ変わるのか。今回の大会は試行錯誤の状況だったのだと思いますが、どっちつかずで中途半端な印象が否めません。伝統を引き継ぐのであれば、それはそれで大会の持ち味になるはずで、他の大会との差別化が図れます。わたしはその方が特色あって良いのではないかと考えます。まず全体の方向性を見定めて、その上で今回の大会で不足した部分、修正すべき部分に対して策を練っていけば、満足度の高い大会に進化していく可能性があるのではないかと思います。

そういえば今どきの大会らしくなくSNSによる情報発信も無かったようです。応援ナビなどの速報にも未対応でした。Webサイトの情報充実も課題でしょう。もう少しデジタル活用も検討してよかったかもしれません。

レース後は大会特典のチケットを使って松江城を訪問しました。10年ぶり2回目の登城でしたが、やはり現存天守は素晴らしい。内部の展示スペースが少し縮小されていて、一部は見学しにくくなっていたのが残念でした。しかし、国宝に指定されて城郭としての魅力は増したのではないかと思います。ただし、マラソン後に急階段は厳しかった(笑)。山陰ファンとして、マラソン大会共々、魅力ある松江に進化してほしいと心から願っています。

国宝松江城天守を10年ぶりに訪問。美しい姿です

機会があればまた山陰を訪問したいと思いますし、大会にも参加したいと思います。