旧東海道ウォーク(15) 由比宿~草薙駅近く

この企画では初めて泊まりがけで出かけました。初日は由比宿から江尻宿を通って草薙駅近くまで、2日目は草薙駅近くから静岡駅近くの府中宿を通って丸子宿の手前まで歩きました。まずは1日目の行程からです。

9日(土)の朝に自宅からこの日の出発点である由比駅へ移動。10時過ぎに行程を開始しました。前回の終了後に由比駅近くで食事した店でもらった地域で使用可能な金券を利用して食料(菓子パン)を購入。おそらく薩埵峠あたりで小腹が空いてくると思うのでその準備です。本格的なランチはその先の興津駅近くで予定していました。

由比駅前からほぼ南方向に向かって歩き始めました。ほどなく歩道橋のかかる交差点に出て、街道は海沿いの道からひとつ陸側の道に移ります。ここは徐々に海側から陸側に街道が移動したのかもしれません。過去には津波や高波の被害もあったと思いますので。街道を進んでいくと昔の街並みを思わせる道幅に古めかしい建物も所在しています。博物館のように展示をしているような施設もありましたが、ここは移動を優先することにしました。

由比の街並み
「あかりの博物館」ですが入っていません。興味深いのですが…

筆者たちと同様に旧東海道を歩いている人がいるようで、風景の写真を撮ったりして止まっていると追い抜かれたり、逆に筆者たちが追い抜いたりを繰り返すような感じになりました。そんな感じでゆるゆると歩いているうちにこの日の難所である薩埵峠に入る坂道の入り口に差し掛かりました。ここは由比の一里塚跡でもあります。

振り返ると富士山。峠からの絶景が期待できます
明治天皇がご小休をとられた「柏屋」
薩埵峠に登る坂道の入り口
坂の入り口は由比の一里塚跡でもあります

いきなり急坂が見えて萎えますが、上ったあとの絶景を楽しみに上ることにします。この手前ですれ違ったチャリグループは峠をチャリで反対側から上ったのだろうか。元気過ぎます。急坂を上っていく途中、ところどころで振り返ると富士山がよく見えています。峠付近からは有名な絶景が見られる気象条件だと思います。

坂を登る途中で振り返ると富士山。励みになりますね
対岸に見えるのは伊豆半島?

絶景を見るためにはこの急坂を登り切らないといけません。同行者の様子にも気を配りながら足を進めていきます。時々振り返って景色を眺めるなどしておりました。上っていった先に駐車場があります。ここにはトイレが併設されていて、自販機もありますので補給場所のようにも使える場所になっています。

ときどき振り返る。意外と歩いている人がいます
駐車場からの絶景。展望台に行けないのでこれが最高の眺めなのだと思います

ここからさらに進んだ先に展望台があり、薩埵峠のいちばんの絶景ポイントなのですが、途中に法面の崩落があったようで、駐車場から先が通行止めになっていて展望台には行くことができません。旧東海道のトレースもここは諦めざるを得ません。ということで、この駐車場からの眺めが現時点ではいちばんの絶景ポイントということになります。

通行止めに関しては事前に情報を見ていましたので、駐車場から先は迂回路を通りました。この迂回路がなかなかの山道でした。静岡市提供の地図とGoogleMapを付き合わせて見る限り、駐車場からいったん坂を下り、東名高速をまたぐように南下する道があり、その先の方で旧街道に合流するように見えます。ただ、この迂回路は途中からStreetViewが無く、道の様子を事前に知ることができませんでした。そもそもStreetViewがなぜ無いのか不思議に思っていたのですが、現地に行ってみて理由がよくわかりました。ここは階段状に整備されているとはいえかなりの山道で、StreetViewのカメラ(撮影車)が入れなかったのだと思います。このレベルの斜面は箱根峠付近以来かもしれません。この山道を登りきったところで地図の通り、旧街道に合流しました。登る途中、この道を降りてくる筆者より先輩のハイカーとすれ違いました。足腰が丈夫ですね。見習わなければいけません。

旧街道に合流したところに都合良くベンチがあり、ここで休憩をとり、由比を出発する際に購入した食料(菓子パン)で小腹を満たしました。買ってきてよかった。

ちなみに薩埵峠にはクマ出没という情報もありました(静岡市のサイト)。前回の蒲原付近もそうでしたが、念のためクマ除けの鈴をリュックにつけて「チリンチリン」と鳴らしながら歩きました。気休め程度かもしれませんが。

迂回路にて。本当にクマ出そうです。熊鈴必須です
階段状に整備されているとはいえ、かなりの山道です
東屋にも「クマ注意」の張り紙

ここからは峠の下り坂になります。一部は階段状に整備されているので、足下に注意しながら慎重に降りました。降りきったところが墓地になっていて、そこから先は舗装道路に戻ります。

薩埵峠の名標。下る途中にありました
名残を惜しむように富士山を撮りました。松の木とともに
峠の出口は墓地。ここから舗装道路に戻ります

舗装道路に出て進んだ先に地図上で街道が陸側に大きく迂回する場所があることに気づいていました。GoogleMap等で見ていても迂回の理由がわからなかったのですが、これは地形図を見ればすぐに理由がわかったはずです。海岸線に近いところにちょっとした山があり、これを迂回するように街道が通されていたようです。現在はJR線や高速道路が山の海側を行き交っていますが、当時は山と海岸線の間にスペースがなく、道を通せなかったのだと思います。かといって山越えの街道にするには急すぎるのと、迂回路を作ればそれほど遠回りにならないこともあり、陸側に迂回する設定になったのでしょう。

迂回路をまわって海岸線に戻ると興津川を渡る橋を渡ります。橋を渡ったあとで少しだけ現在の幹線道路より一本陸側の道になりますが、ほどなく海岸線の幹線道路に合流します。この道路が国道1号で、ここからしばらくは国道1号を進むことになります。

さすがに国道なのでコンビニがあったり、郵便局や銀行があったり賑やかになってきました。ただ、歩いている人は少ない印象です。クルマ社会なのでしょう。途中で興津の一里塚跡がありました。国道を進み、興津駅前に出たところで事前に調べておいたお店でランチ休憩をとりました。

興津駅に向かう国道1号。人通りは少ない(クルマは多い)
興津の一里塚。標柱だけなので見落としそうです

このお店に入る前、入れ替わるように出てきた2人は由比で筆者たちと抜きつ抜かれつしていた人たちでした。筆者たちより先行していて、食事を終えたところだったようです。同じ店を選ぶとはなんという偶然(笑)。それくらいに食事できそうなお店が少ないということなのかもしれません。ランチはかつ丼を美味しくいただきました(かつ平さん)。

お昼はかつ丼をいただきました(かつ平さん)

食事後は引き続き国道1号を南西方向に向かいます。しばらく進むと右手(北側)に清見寺が見えました。山門の大きさからいってもかなりの規模感です。上ってみると眺めも良いのだと思いますが、ここは自重して先を急ぎました。

進行方向右側に清見寺。かなりの規模感でした

静清バイパスの下をくぐってさらに進んで行きます。「細井の松原」の跡地を示す標柱がありますが、ここで旧東海道は国道1号から右に分岐します。現在の幹線道路とは離れるので往時の道幅と思われる道になります。ちなみに「細井の松原」には以前は街道当時の松が残っていたようですが、現在は1本しかありません。

細井の松原で分岐します

旧東海道を南下していくといつの間にか江尻宿に入ったようです。ところどころに宿場を示す看板が掲示されていました。さらに南下を続けて清水駅前も通過します。ここで終了することも選択肢にありましたが、まだ時間的にも余裕があるので進むことにしました。

いつの間にか江尻宿に入っていました

その先で旧東海道が右に曲がると商店街に出ます。ここは道路の両側にアーケードがある本格的な商店街でした。こういう町の雰囲気は好みです。アーケード街を進んで行き、「魚町」という交差点で左折します。左折した先に橋があり、「稚児橋」と名前がついていました。そして親柱にはなぜか河童の像が鎮座しています。なんでも家康の時代に橋が開通したときに渡り初めの人を抜き去るように稚児が駆け抜けていったとか。その稚児が河童だったのではないかとのこと。街道らしい歴史と伝説が残っているところが面白いと感じました。

道案内の通りに右折すると・・・
立派な商店街でした
稚児橋の親柱に河童!

その先に達磨を作っているお店がありましたが、その達磨が特徴的で、髭がぼうぼうとしたものでした。後から調べると静岡の「髭達磨」という達磨のようです。筆者の出身地は達磨の産地ですが、こういう達磨は初めて見ました。写真はありませんが。

さらに進んで行くと東海道線を渡る踏切に出ます。ここで驚いたのですが、東京の地下鉄(丸ノ内線)の車両が線路を走っていきました。あまりにも突然だったので写真を撮れませんでした(涙)。どれくらい貴重なことなのかわかりませんが、こういうことってあるのですね。いつでも写真撮れるようにしておかないと(笑)。

「追分」という地名の場所に出ました。追分であるからにはいま歩いている旧東海道と何らかの街道が分岐しているはずですが、下調べ不十分でした。後から調べると清水道との分岐だったそうです。「追分羊かん」という、いかにも老舗の和菓子屋さんがありました。これも後付けですが、店舗の前には昔の道標が残されているようです。道の反対側を歩いていて、なおかつ店舗の写真すら撮っていないので、道標にも気づいていませんでした。残念。

いつの間にか「草薙」駅に近くなってきました。大きいイオン(清水店)を過ぎて進んで行くと清水銀行の敷地内に草薙の一里塚跡がありました。石碑のみで塚はありません。塚自体は残っていなくても、こうしてモニュメントだけでも残っているのはありがたいことです。残してくださった関係者に敬意を表します(ここを読むことは無いと思いますが)。

草薙の一里塚

草薙駅前の交差点に出ました。まだ空も明るい時間ですが、この日は先の予定があるのでここで終了としました。進んだ距離は約18km、休憩時間を含めて6時間半くらいでした。もう少し急ぎ足にしてもいいのですが、ゆっくり歩かないとみるべきものを見落とすことが増えそうで…。

本日はここで終了。草薙神社の幟旗が見えます

草薙駅から静岡電鉄に乗り、静岡のひとつ手前「日吉町」で降りました。予約していたホテルにチェックイン。ウェルカムサービスのビールとおでんをつまみ、静岡駅へ移動。地元在住の友人と合流して静岡グルメを楽しみました。桜えびも生しらすも美味しいのを食べると他のを食べられなくなりそうです。

黒はんぺん
生しらす
桜えび。この日は食べ過ぎたかもしれません